前田 香奈さん(NPO法人 すまいるスキップ・こども塾)
どのような経緯でNPOを立ち上げることになったのか教えて頂けますか?
若い頃はプロのミュージシャンでした。歌うことや曲を作ることがすきなのですが、表舞台に立って大勢の人に認められて活躍というよりも、歌で「まわりの人を元気づけられたらいいな」との思いで歌っていました。
ミュージシャン~公務員へ
純粋に音楽が好きという気持ちと、それを生業にするということでは大きく違ってきます。私はお仕事として音楽を続けなくても、周りの人を元気づけることはできると言うことで思い切って辞めました。その後は旅行をしていた際に訪れた島で暮らしてみたいと思ったので公務員試験を受け、役場職員として移住する夢を叶えました。
公務員~教員へ、そしてNPOへ
介護保険制度を立ち上げた後、国勢調査や広報誌の編集、政策を担当する中で、忘れかけていた2番目の夢、小学校の教員になることを決意しました。それから教員免許を取得するために大学に入り、無事小学校の教員になることができました。既に30歳を過ぎていましたが、人間いくつからでもスタートを切ることが出来るんだと実感しました。
NPOの活動を行う中でのやりがい
とにかく子どもが大好きで、一緒にいられるだけで本当に幸せなんです。子どもたちの「~できた!」「やったぁ!」という声を聞くと嬉しくなります。子どもたちがありのままの自分に自信を持ち、充実感や満足感を感じることが出来るよう、また夢をかなえられるようお手伝いをすること、その子のもつ魅力や力を引き出すこの仕事は天職だと感じています。また、子どもだけでなく、保護者のみなさんや地域の方の夢もかなえられるNPOでありたいと思います。
NPO組織の運営の難しさというのはどのようなところですか?
ミュージシャン、会社員、公務員や教員等一通り経験しましたが、自分で経営をするとは思っていなかったので、あわてて経営の弁口に通いました。しかし、もともとNPOは非営利で、儲けと言う考え方は基本的に無いので、どうしても価格の設定を低くしてしまいます。安ければいいって言うものではないとも思うのですが、一生懸命働いて得られた収入の中から払っていただく、お母さんたちのことを思いますとつい・・・。ちゃんとこういう経費がかかって、継続していくためにはこれだけ必要だと言うところまで本当は考えてしっかり運営していかなくてはならないのですが、ついつい「それもいいですよ」「それもやりますよ」と言う風にお金より気持ちで動いていることが多いです。ですから今は「経営」という視点に磨きを掛けるよう務めています。
教員をしていた時に比べると給料はかなり少ないですが、お金には返られない幸せに満ちています。ボランティアで働いてくれている人たちはわずかなお礼しか払えていないので、きちんとお給料を出して恩返しできるように、経営者としての自覚を高めていかねばと思っているところです。
若者へのメッセージ
ただ頭の中で悩んでいるだけでは何も変わりません。行動をすることでよき出会いや周りから必要な意見や情報を得られることがたくさんあります。悩んでいるよりまずは行動をしてみる、そしてまたそこで考えるというのがとても大切だと思います。自分の力を信じて頑張ってください。
取材の感想
夢のために頑張って努力する前田さんはとても素敵だと思いました!
取材日: 2009年8月26日
取材者: 後藤 創也 ・ 瀬戸 沙織