育児はワンオペはもとより、パパママが揃っていてもそれだけでは完結できません。心配事ができた際に、家族にそのまま相談できない時だって出てきます。そんなとき、どうするか。今回は検診に行き、ドキドキ感を味わったパパのお話です。
パパ、健診に行ってみる
第一子が生まれ、不眠の乳児期やら夜泣きやらを乗り越えひと段落した頃のお話です。いよいよ歩き出し、離乳食も安定して食べるようになり、世界が広がります。立つのも歩くのも比較的早く、ママと「うちの子天才だね」なんて言っていました。そして何の気なしに臨んだ一歳半健診。いつもママに行ってもらっていましたが、初夏の候、今回は散歩がてらパパが連れていくことにしました。
健診のために訪れた小児科で、立ったか歩いたかなど聞かれます。次に問診で発語の数を聞かれます。明確に聞きとれるのは2語程度かなと答えたらその医師は眉を寄せ「遅いですね。指差しも無いようであれば相談にいかれた方がいいです」と言い切り、パシッと言語発達について相談できる機関のパンフレットを目の前に置きました。
絵本も読んであげていたし話しかけていたし、何が悪かったのだろう。このまま言葉を覚えなかったらどうしよう。ショックからすぐに立ち直れず、青空の下をしばらく呆然としながらベビーカーを押していました。ベビーカーの中を覗くと、いつものようにキャキャっと笑っているわが子。何かあっても受け入れていく腹をくくっていたつもりが、その覚悟の薄っぺらさを思い知らされました。いけない、いけない。立ち直らねば。なにより不安になったのは、ママになんて伝えよう。出産時にもネットの情報を気にしていたママのこと、不安です。
結局ママには「個人差もあるみたいだけど」とか色々クッションをおいて、衝撃を和らげて伝えました。それが奏功したのか、「まあ様子をみよう」とママ。とはいえ実家の両親にも相談できず、大分心細い日々でした。
そのころは既に保育園にも通いだしていたので、担任の先生にもその件を伝えたところ、「大丈夫です。〇〇ちゃん、ちゃんと分かっています。今いっぱい言葉を貯めこんでいるんです」と笑って断言してくれました。日頃間近で見てくれている人に大丈夫って言い切ってもらえるって、こんなにも安心するんですね。この時ほど保育園の先生がいてくれてよかったと思ったことはありません。結局、何か特別なことをするまでもなく、しばらくしてぽつりぽつりと言葉が増え始め、気が付けばクラスで一番のおしゃべりになっていました。
育児はつい自分たちだけで頑張ろうとしてしまいがちですが、家族以外にも味方は多いに越したことはありません。色んな立場の味方をもっと地域で増やしていこうと思ったできごとでした。
※発達には個人差があります。この話がすべてのケースに当てはまる訳ではありません。