『ゆるぎなき自由 女性弁護士ジゼル・アリミの生涯』
発行日:2021年11月
著者:ジゼル・アリミ、アニック・コジャン/翻訳:井上たか子
出版社:勁草書房
発行日:2021年11月
著者:ジゼル・アリミ、アニック・コジャン/翻訳:井上たか子
出版社:勁草書房
女性弁護士のアイコンと言われたら2020年に87歳でその生涯を終えたアメリカの最高裁判所元判事ルース・B・ギンズバーグを思い出す人が多いでしょう。同時期、フランスにも女性や少数者の権利のために闘った女性弁護士がいました。ジゼル・アリミは、当時のフランス保護領チュニジアに生まれました。父親は娘が生まれたことに大層がっかりし、成長した後のジゼルは他の多くのチュニジアの娘と同じように、同じ家に住む男たちのために家事をこなさなければなりませんでした。男のきょうだいとの違いに納得のいかないジゼルは10歳でハンガーストライキを実行。これが彼女のフェミニストとしての最初の勝利でした。その後フランスで弁護士になったジゼルは、フランスにおける避妊・中絶の合法化、離婚に関する法改正、強制わいせつ罪の重罪化、パリテ法(議会の男女同数制)につながるクオーター制の導入など、フランスのジェンダー平等において大きな功績を残します。松明の灯を消さないように次世代に引き継いでもらわないといけない、とジゼルは言います。2020年に93歳で生涯を閉じたジゼルからの次の世代へのメッセージが詰まっています。