『作りたい女と食べたい女』
発行日:2021年6月
著者:ゆざきさかおみ
出版社:KADOKAWA
発行日:2021年6月
著者:ゆざきさかおみ
出版社:KADOKAWA
このマンガはシスターフッド×ご飯×GL(ガールズラブ)というジャンルである。
タイトル通り、作りたい女(野本さん)と食べたい女(春日さん)が、大量のご飯を作り、食べるという内容だが、至るところに女性の生きづらさが描かれている。女性の中でもマイノリティである、レズビアンの生きづらさにも触れている。
本作品は「野本さんと春日さんの二人のレズビアンの話」と作者が明言しており、二巻では、レズビアンという言葉もしっかり出てくる。それがなければ、友情と認識する人も多いだろう。それほど同性愛者の存在は見えづらい。
一巻でもこんなエピソードがある。
野本さんが、親と電話で話した際に「休日に会うような男性ができたの?」と聞かれ「女の人だよ」と答える。春日さんのことを話そうとしたが「なんだ、ただ友達と会うだけか」と言われてしまい、電話を切られてしまうというものだ。
このような発言は日常的によく聞くが、そこでは同性愛者は居ないものとされてしまう。
ただ料理を作るだけではなく、このような話題や女性差別も、毎回テーマとなっており、共感できることも多い。日常的に差別にもやもやしていても、周りとそれを共有できない方に、ぜひ読んでいただきたい。