このコーナーは、流行りの紙とウェブの連携企画。プレパパに(プレママにも)役立つ情報を発信しています。待ち合いの暇つぶし以上の質を保障!
話を聴かないパパ
パパママは仲良しが一番、と思っていてもつい「しまった」と思う瞬間はでてくるわけで。先日、ご飯を食べていると妊娠中のママから子ども用品の買い物について相談がありました。それなりの出費になりそうな話。つい先日も同じような話があり、物入りだなあと思っていたところでした。一家のお財布係として安請け合いはできません。「お金がはいったら考えよう」と返すと、ママは一気に不機嫌に。不機嫌になられたって、無い袖は振れません。パパちゃんとママの言い分を聞いて考えて返したのに、なんで不機嫌になられなきゃいけないのかとこっちもムッとしました。
結局Dパパ夫婦はこのあと話し合って和解しました。ママの言い分をきいたDパパの感想は「なるほどね」でした。
さて問題です。
なぜママは不機嫌になったのでしょうか。
(答えは最後に↓↓)
パパの不条理あるある。妻の話をきいていないわけじゃないのに、それどころか真剣に相談に乗って解決策まで考えたはずなのに「全然話をきいてくれない」「わかってくれない」「そうじゃない」なんて言われた経験、お持ちじゃないでしょうか。
よく男性脳女性脳なんて言葉で片付けられています。もし本当にその傾向があったとしても、全く理解できないわけではないのだから、そこは想像と思いやりで埋めていけるんじゃないかと思うわけで。少し考えてみました。
例えば、可処分エネルギーの9割を仕事に割くパパがいたとして、接する時間が短い家庭のことはきっと、頭で理解できても、情動面でまでパートナーと同じ深度で沿うのは難しいところだと思います。たとえ家族に対しての責任は果たしていく所存でも、「責任」って理屈の産物にすぎないような気がします。それをそのままパートナーに向けると多分反発必至です。家庭の話をしましたが、仕事パパだってきっとあると思います。それこそ自分の時間も削って一所懸命作った企画書が、金額しか見られず没にされたらへこむし、同僚にその愚痴をこぼしたら「そりゃ金額でしょう。悩んでも時間の無駄」なんてさらっと言われたら、「こいつ、もうどっかいってくれよ」と思ってしまいます。その時の心境って、「愚痴くらい黙ってきいてくれ」じゃないでしょうか。
理屈で考えればこうだろう、なんて多分ママだってわかっているんですよね。理屈で収まらない部分を「だよね」ってきいてくれれば、それだけでその部分は成仏できる。でもそんなこと、言葉がしゃべれない赤ちゃんがしてくれるはずもないし、他の人にだってわざわざお願いできません。だからパパに聴いてほしいんです。2020年、ハラスメント大辞典に新たに加わったもので「ロジハラ」なんて言葉があります。理屈だけ正しくてもダメってことなんでしょうね。
映画「君の名は。」の主題歌の歌詞をご記憶でしょうか。「嬉しくて泣くのは 悲しくて笑うのは 君の心が君を追い越したんだよ」という一節。はじめて聴いたとき、「そうそう。あるよねそういう時。わかってるなあ」と思いました。理屈と感情は脳と心で別々に動いています。社会では理屈で通さなきゃいけないところが多いからこそ、せめて家の中で一番近しい人にだけは理屈じゃない部分を汲んでもらいたいという気持ちだけは、同じ家族として理解したいなと思った次第です。
答え
妊娠中で体調も安定せず、気ままにおでかけできないママは、こどもの物について何を買うか色々見ながら考えることだけが、パパと共有できるせめてものエンターテイメントだと思っていたそうです。本当に買う買わないは二の次。Dパパは確かに「話は理解」して、だから買うべきかどうかの判断もしましたが、結局「話(をしたい気持ち)をわかってあげていなかった」という訳なのです。反省。