ほっとくつろげるはずの我が家。こどもたちはニコニコ笑っていて、パパとママはそれを見守るように微笑み合って―。なんて光景に憧れつつ、現実はバタバタと毎日が過ぎていきます。振り返る余裕もなく、時にはこどもを叱りすぎたり、夫婦で喧嘩したり。なるべく無い方がいいけれど、時には言い合うことも立派なコミュニケーションになるんじゃないかなと思った話です。
我が家の場合、6歳になる長女がパパっ子です。多分だいたいにおいてパパは甘く、ママが叱り役をしているからです(これアンフェアな育児分担ですね)。ある晩ひどくママに叱られ、寝るときは当然のように慰められるためにパパのところに来るかと思っていると、「ママがいい」と言って意外にもママにひっついていきました。「そうね、さっきのこと、ちゃんと分かってくれればいいの。ママも大好きよ」と言うのを聞くと安心したようでそのままママと寝て、翌日はまたパパのところに来たりします。そんなことを繰り返していたある日。娘が叱られながらも、「でもわたしだけじゃないよ。ママもやっているじゃん」と言い返していました。成長というのもあるのでしょうが、多分、ママに思ったことを言い返しても大丈夫と思えたのでしょう。関係性への信頼が増しているなと感じました。
本当に仲のよい友達のことを考えてみても、言いたいことは言い合えていますよね。「ダメ」って言っても「嫌」って言っても間違いなく仲直りできる関係性が、家族の中にあるって精神衛生上すごく大事です。また、そんな見本が身近にあるとこども自身が作っていくであろう人間関係にもきっと活きてくるでしょう。気は早いですが、いつか来る危うげな思春期のセーフティネットの一端にもなるんじゃないかなと思います。ブレず日和らずダメはダメと伝え、言い分もきいてやりきちんとその日に仲直りをして娘と絆を深めているママの姿勢を見て、パパも優しいだけでなくちゃんと向き合わねばと思いました。
ところでこの構造、夫婦にも言えると思っています。面倒を嫌いなるべく衝突することを避ける傾向にあるパパと違い、ママはたとえ喧嘩になったとしてもなんで怒っているかちゃんと言ってきます。そして、双方が納得するまで話し合おうとします。違うと思ったらちゃんと言える。納得に至るまでちゃんと話し合える。だからそのあと仲直りできる。そういう関係であろうとし続けてくれます。おかげ様で喧嘩することはあっても屈託なく夫婦し続けていられています。この「家族を続ける働きかけ」をママにばかり任せるのでなく、パパも負担しなければならないですね。