佐々木ドゥブロンドウ瑞紀さん(フレンチレストランCEDO)
お店を始められたきっかけは何ですか?
義父がベテランのフランス人シェフなんです。日本においてフランス料理店が下火な現在、高級なイメージを払拭してカジュアルにお客様に身近なお店にしたいと思ったからです。
お店のセールスポイントはどんなところですか?
カジュアルフレンチレストランとして、フランス郷土料理と、フランス人シェフプロデュースの店なので彼のオリジナル料理であるモダンフレンチを提供しております。シェフもソムリエもフランス人なので本場のフランス料理のスタイルに近いです。日本人には、フランス料理は高級で量も少ないといったイメージがありますが、私のお店では値段もリーズナブルでボリュームもあります。
一日の仕事の流れを教えてください。
営業時間は午前11時半から、午後10時半までです。朝9時から開店時間までは仕込み作業と、開店の準備しています。夕方5時からはディナーの準備と仕込み作業をしております。
■おススメのディナーメニューは何でしょうか?
たくさんあるのですが今の時期だと、フランス産鴨の胸肉のロースト ~もも肉のコンフィかぶのソテー添え~ ですね。でも、義父が3ヶ月に一度来日して新しいメニューをシェフと打合せして決めています。メニュー入れ替えをすることで、旬のものを使った料理を楽しんでいただけるよう努力しています。
お店の名前はどのような由来なのですか?
それぞれのアルファベットには意味があります。「C」は息子の名前で、「E」はシェフの名前で、「D」はファミリーネームで、「О」はソムリエの名前。それぞれの頭文字をとりました。
フランス料理店の名前って長くてなかなか覚えづらいじゃないですか。だからあえて短くしようと決めていたんです。また、お客様にお店に興味を持っていただけるかな?と思いました。
なぜ新百合ヶ丘にお店を開くことになったのですか?
自宅が近かったこと。あと、近くに知り合いが多かったからですね。新百合ヶ丘は店舗物件が少ないんですが、ちょうど良い物件を見つけることができたので、ここにお店を開くことになりました。
開店した後で、お店を開く前に想定していたこととかなり違ったと思うのはどんなことですか?
従業員の管理です。人間関係でもめ出したりとか、あまりにも接客に向いてないとか・・・。一人一人個性が違うので、みんなをまとめていくのは、大変ですネ。
仕事で失敗したご経験があれば、どのような内容だったかを教えていただけますか?
開店前の準備不足で余裕がなくなってしまい、レジの打ち間違えや従業員と上手くコミュニケーションをとることができず、役割分担が上手くいかなかったことです。失敗は必ずつきもので80%が失敗といってもいいくらいです。しかし、失敗しないと成長しません。失敗もひとつの経験なのです。失敗時のストレス解消方法としては、とにかく遊ぶ!社会人は時間はないけどお金はあるのでエステやマッサージに行きます。
働くことについてどのようにお考えですか?
アルバイトの皆さんによく言っていることなのですが、「1円稼ぐのでも大変なこと」ということですね。どんな仕事をするにしてもお金を稼ぐことは大変です。しかし、お客様から「おいしかった。」「ありがとう。」などと声をかけていただくと達成感が得られます。その達成感が仕事を続けていく気持ちになるのだと思います。
働く上で大変なことは?
人間関係です。信頼関係が出来上がっていないと良い仕事ができないので。
仕事をしていて嬉しかったことと、辛かったことはなんですか?
嬉しかったことは、求人広告を出した際に、フランス人シェフの元で働きたい人が多く、予想していたよりも人材の確保に困らなかったことですね。辛かったことは、自分の仕事が多く、仕事と子育てや家庭を両立させることが大変なことです。
今後のビジョンはどのようなものですか?
目標は、フランスの食文化を広げていくことですね。フランスでは通常、ワインを飲みながら料理をたべます。しかも、一皿一皿の料理でワインを変えるほどなんです。
でも日本人はお水を飲みながらフランス料理を食べるんですよね。それと、フランスでは、500~600 円で本当においしいワインが買えるんですが、日本では飲み頃のすぎたワインがビンテージもの
として高い値段で売られていて、それを買うのにはたくさんお金を払っているのがもったいないと思うんです。
そんな日本人のフランス料理やワインに対するイメージを変えていければといいなと考えています。
ターゲットは、ランチは主婦の方を中心にしています。ディナーではワインを飲んでいただける若い女性、男性がターゲットですね。
仕事をしていてやっていてよかったことは?
お客様から「おいしかった。」「ありがとう。」などと声をかけていただいた時です。達成感がとても得られます。その達成感が仕事を続けていく気持ちになり、これまでの大変さを忘れられるのだと思います。
地域の若者に向けて一言お願いします!
「どんどん働け!!」ですね。働いて多くの経験をして、成長していってほしいですネ。
これから働く女性に向けて一言お願いします!
子育て、家庭、仕事の両立は困難なので自分だけでやらないで人の手を借りたほうが良いと思います。余裕がなくなってしまうと、ストレスがたまって子どもにイライラをぶつけてしまうのでよくないです。私の息子は、現在一次保育はとても混雑していて受け入れてもらえないのが現状ですが、疲れているとき、子供の笑顔を見ると、疲れもふっ飛びますネ。普段からネットワークを広げていたほうがいいです。
取材日:2008.8.27
取材者:青島由委、諏訪部沙織、加藤みゆき