長谷川 玲子さん(シフォンケーキとテディベアの店「Bear Bear」店主)
具体的に、お店の内容について教えてくださいますか。
ここはシフォンケーキの専門店なので、シフォンケーキはもちろんのこと、焼き菓子も販売しています。初めは生のケーキも販売していたんですが、今はシフォンケーキに専念しています。また、お店の2階では、クラフト教室も開いています。
お店を始めたきっかけはなんですか。
私はもともと手芸やケーキを作ることが好きでした。結婚し、落ち着いてくると、このまま終わるのは嫌だと思うようになり、市の広報誌に記載してあった、女性起業家セミナーに参加することにしたんです。その後の交流会で得られたアドバイスの「みんなを巻き込んで」という言葉をそのまま実行しようと、たくさんの仲間に協力してもらいながらこのお店を立ち上げ、現在も運営しています。
仕事をしていてうれしかったことは何ですか
おいしかったと言ってもらえることですね。わざわざお店を探しながら来てくださり、お客様に「やっと着いた」と言っていただいた時もうれしかったです。「もっと食べたい」と言って、泣き出したお子さんもいたほどなんですよ。
逆に、仕事をしていて辛いと思ったことは何でしょうか。
最初はすべて一人でやろうとしていました。朝の3時に起きてケーキを作り始め、その日の夜中に寝るということも多々ありました。家のことに手がまわらなかったときもあります。結局一人では何もやっていけないことに気がつきました。家のことは主人が手伝ってくれました。ケーキ作りにはたくさんの人たちを巻き込んだんです。ですから、結果的には辛かったということはほとんどありません。
具体的に何か失敗談についてお聞かせ願えますか。
睡眠不足だったため、うとうとしてしまい、ケーキを焼きすぎてしまったことです。
長谷川さんが仕事をするにあたっていつも心がけていることは何ですか。
昨日よりおいしいものを作りたいということです。日々おいしいと思ってもらえるものを作ろうと心がけています。ですから、自分の納得いかなかったケーキは失敗作として販売していません。
ケーキ作りにあたってこだわりは何かありますか。
材料はすべて自分の気に入っているものを使っています。また、食べてはっきりとわかる味になるよう心がけています。言われてみれば…という味では嫌なんです。
このお店でお勧めのメニューは何ですか
やはりシフォンケーキ全体です。また、シフォンパフェもお勧めです。
主にどんなお客様がいらっしゃいますか。
赤ちゃんを連れた方が多いです。また、隠れた場所にあるためか、男性のお客様も多くいらっしゃいます。
この地域で働く魅力はなんですか。
商店街が少ないことです。また目立つところよりも、探して来てくださったり、散歩の途中で見つけてもらえるようなお店の方がいいと思い、広い道路側よりもこの場所に入り口を設けました。
お店を開く前に考えていたことと、実際に開いた後での違いは何かありますか。
初めは本当にお店を開いてやっていけるのかと不安に感じていましたが、今考えれば、逆に何も知らなかったからこそお店を開くことができたのだと思います。
このお店を今後どのようにしていきたいですか。
お客様がここに来てくださることが大事なので、このまま続けていきたいです。
長谷川さんの考える働くとはどういうことですか。
仕事は、それをしていて楽しいという気持ちがないとだめです。このお店の従業員は、話をしていても作業は早いですし、機転の利く人ばかりです。またこの仕事は重労働ですが、自分を鼓舞し、楽しみながら行っています。
地域の若者に対して、働くということについてなにかアドバイスはありますか。
最近は、自分は何をしたらいいのかわからないと考えている方がたくさんいます。しかし、それは経験がないからだと思うのです。そこで、アルバイトを経験することが本当に大切なことだと思います。私は今まで、興味があることで、自分は絶対に仕事にしないだろうと考えている職業をアルバイトとして経験してきました。その経験は今でも役に立っています。何でもいいからやっていみると、自分にどんな職業が向いているのか分かると思います。
取材日:2008.8.28
取材者:加藤みゆき、岡田麻衣子