手作り工房NOEL
きむらひろこ様(店長)
小野寺由紀様
手作り工房NOELの事業内容
洋裁の手作り教室運営をメインとし、入園入学用品や洋服、小物など手作り品のフルオーダー依頼を請け、制作しています。以前は、インターネットでの受注制作も行っていましたが、自分たちにはWEBの管理が難しかったことと、お客様とお会いしてお話しながら細かい部分の調整を決めていく方がフルオーダーの良さを活かすことができることもあり、現在は来店していただく形をとっています。新規の営業は特にしていませんが、リピーターやお友達の紹介、口コミで集客に結びついています。インターネットで展開しているときは遠方の方もいましたが、現在は完成品を取りにくることが可能な範囲の方々が多く、市内の顧客が中心です。
文房具屋からスタートし、手作り小物の教室&制作・販売へ
私たちは姉妹で運営をしています。当初はお互いに主婦業・子育てを中心とした生活をしていて、末っ子の幼稚園への入園をきっかけに、空いている時間で何か活動をしたいという想いがずっとありました。
動き出すきっかけになったのが、自宅の建て直しをした後、敷地内にスペースがあったことです。手先が器用だった家族の存在も大きく、そのスペースにいわゆる「箱物」を作ってもらい、まずは文房具屋として1995年の3月にオープンしました。徐々に雑貨や小物、駄菓子など販売するものも増えていったのですが、もともと好きだった“手作り“で展開しようと、店番をしながら小物の制作などを行っていました。
そこから主婦仲間に声をかけ、最初は生徒数も数人でしたが教室の運営を始めたことで、徐々に手作りのものが増えていきました。すると口コミで「NOELに行くと手作りで何かできるよ」と広がり、2,3年した頃に手作り好きママたちの委託品などを扱った「ガーデンマーケット」を実施することになりました。このガーデンマーケットは年に2回、7年(14回)続いたのですが、長年続くことで少しマンネリ化し、これからの在り方をどうしようか悩んでいたときにすくらむ21のセミナーに出会いました。
すくらむ21で起業セミナーを受講
正直講座を受講することにも迷っていて、「起業」という言葉に恐縮していましたが、これからも教室を継続していくために「方針」について学ぼうと、震災の年に起業プラン作成セミナーを2人で受講しました。
セミナーの中では、自分のやりたいことや事業に対する想いなどを書く作業を行いました。また、「お店をしたいけれど場所がない」「子育て中で時間に制限があり、難しい」など他の参加者の状況、悩みを聞く機会もありました。私たちは姉妹での運営で駅近にある自宅の敷地内ということで、土地代や雇用にかかる「経費」がほぼ不要でおまけに家族の協力もあって机なども作ってくれる―そんな、自分たちの状況が恵まれていることに気付いて、ぐずぐずしているのはもったいないと思いました。そして対象の絞込みについても講師の方から丁寧にアドバイスしていただき、セミナーを受講したことで頭の中を整理することができ、今後について背中を押してもらった気がします。
受講後の実践として、営業日や営業時間の見直しや教室のスペースの拡大を行い、今では生徒数も増えて50名程になりました。また、受講をきっかけに、すくらむ21で手作り講師として講座を開催したことで、すくらむ21がぐっと身近な存在になりました。
起業して大変だったこと
地代や他の経費が不要ということもあり、商品の価格の付け方がわからず苦労しました。わからないままずっと安価の設定をしていたのですが、途中で価格を上げるのも厳しいこともあり、新価格に決定するまでずいぶん悩みました。お客様にも満足してもらえる価格設定については今でも2人で話し合いながら決めています。
起業して良かったこと
夜間開催の教室に来られるのは仕事帰りの方が多いのですが、「NOELに来ると、ほっとする」「できた!」「やっぱりいいよね、楽しい」という声を聞けるとうれしいですね。私たちは、自分たちでも無理なく払える金額設定にしていて、教室なので先生と生徒という位置づけではありますが、関係性は「お友達」という感覚で日常会話を楽しんでいます。毎年行う忘年会も今では30人規模になり、参加メンバーで「みんなで作ったものでファッションショーをしよう」ということで公民館を借りて実施しました。等身大でしゃべる仲間が増えるということに喜びがありますね。
仕事をするうえで大切にしていること
教室では皆、縫い物を共通項として、夕飯のおかずや子育てのコツなどたわいのない会話を楽しむサロンのような空間です。NOELが生徒さんにとって、居心地の良い場所になれば嬉しいですし、コミュニケーションは大切にしています。
起業したい方へのメッセージ
家族を味方にすることは継続する上で大変心強いです。どのような規模であれ、自分のがんばっていることに対して家族に「そんなことやってるの?」など非協力的なことを言われたら辛いですよね。逆に、仕事が終わって「ご苦労様」「今日はどうだったの?」と言われるとそれだけで力になるものです。私たちの場合、家族が全面的に協力してくれているので、立ち居地が楽でした。昨日も仕事が終わったら夫が「ごくろうさまでした」と声をかけてくれ、それだけで嬉しく思いました。
それから、私たちは主婦・お母さんなので、その立場からの意見としては、まずは自分の寸法で、等身大で徐々にやっていくことですね。小さなお子さんを育てている方たちの「何かやりたいけど、時間が・・・」という気持ちは良くわかりますが、そこで無理しすぎると、家庭に歪みがくることもあります。私たちも子育てをしながら、気持ちだけが焦る時期もありましたが、手がかかる子育て期も一時的なものです。現在子育て中でなかなか時間を作れない方は、今は事業の構想を練る時期だと思って貯金をしたり、家族を味方にできるよう努めたりしてはどうでしょうか。
仕事のPR
現在、教室がお休みの日に、レンタルスペースとして教室の場を時間貸ししています。トイレ付の可愛いスペースなので、興味がある方はお問い合わせください。
おかげさまで現在は教室の「生徒さん募集」については満席のため募集していませんが、空きが出ましたらホームページやブログで募集のお知らせをいたします。教室への参加ご希望の方は下記記載のホームページアドレスでご確認ください。
手作り工房NOEL
【所在地】神奈川県川崎市高津区下作延2-13-8
(JR南武線 武蔵溝の口駅南口から徒歩5分/東急田園都市線 溝の口駅南口から徒歩4分)
【TEL】044-888-4918
【FAX】044-853-3920
【URL】http://www.chiku-chiku-noel.com/