吉田卓さん(株式会社ソフテム システム開発本部ビジネスシステム部第2グループ)
株式会社ソフテムは、システムを通して世の中を便利にすることをモットーとし、システムの開発、設計を行っている。設立地である川崎市に拠点を置き、川崎市とアジア地域の経済の発展に貢献し続けている企業である。
取材をさせて頂いた吉田さんは、ビジネスシステム部に勤めて4年目のプログラマー。日々お客さんのニーズに合った商品の開発に努める吉田さんから、仕事への想いを伺った。
自分を見つめ直し、進路選択を
吉田さんは高校時代、音楽を趣味として過ごしていたが、将来を考えて 工業系の大学へ進学。大学3年生になると大学で学ぶ分野も次第に深くなり、現在学んでいることや将来やりたいことについて改めて考えた時、疑問を感じたことから大学を中退。Web技術系の専門学校に通うようになった。大学を卒業してから専門学校へ進学することも考えたが、すぐに行動をすべきと感じたそうだ。そして専門学校で学ぶ中でプログラムの仕事に惹かれ、IT企業である現在の会社へ勤めることとなった。
入社後の壁
吉田さんは、入社1年目、壁にぶち当たった。それは、人と話すことへの苦手意識から生じるものだった。ITの仕事といえども、ずっとパソコンにだけ向かっていればいいというものではない。例えば、周りの社員との信頼関係を築くためのコミュニケーションや、お客様との取引時でのプレゼンや会議への参画である。そのような時、相手に自分の考えをうまく伝えることができない現実に苦労したという。しかし、それを打破するため、吉田さんはそれまで以上に勉強し、誰にでも胸を張ってプレゼンできるよう、自分の中で台本をあらかじめ作るなど工夫して、努力を積み重ねた。その結果、お客様自身の意見を聞きながら話し合いを重ね、よりよいシステムを作ることができるようになったそうだ。自分の目先の取引を気にするだけでなく、お客様の仕事まで理解し、先々のニーズに合った製品を作ることをモットーにしているという吉田さん。「仕事は相手のことを考え理解すること」だと語ってくれた。
仕事への「想い」を大切に
IT業界においては一般的に男性が活躍しているイメージをもたれることが少なくない。吉田さんが働く株式会社ソフテムは女性社員が3割と、IT企業の中では女性比率が高く、女性のエンジニアやプログラマーも多数活躍されている。普段から男女の差を感じることはなく、「一言でいうと風通しのいい会社かな」と吉田さんが語るように、社員同士の距離が近く、仕事のしやすい環境づくりに配慮されていた。
「入社後どれだけ頑張れるかが大事。ITの仕事は理系のイメージがあるかもしれないが、文章力がある人のほうがプログラムを書ける傾向があるし、技術的な部分は会社に入ってから十分勉強できるので、もちろん女性でも活躍できる。大切なのは仕事への想い」と吉田さんは語る。人は誰でもはじめから完璧なわけではなく、入社直後は自信のなさから上司に圧倒されたり、つらい思いをしたり悩みを抱えるものだ。しかし努力を重ね、苦手を克服しながら自信をつけ、今では後輩への指導でも力を発揮している吉田さんの姿から、日々の努力の積み重ねが成長につながることを改めて実感させていただいた。吉田さんは苦手だったコミュニケーションを克服したことで、今ではコミュニケーションを通じて仕事にやりがいを感じているという。「今はまだ小さい案件の担当が多いが、早く一人前になって、大きな案件を担当したい。」とこれからの目標を語ってくれた。
編集後記
私たち大学生は、今、小さい世界の中にいる。視野を広げて色々な世界をこの目で見て、自分の好きなことを見つけ、それに向かって努力をすれば、吉田さんのように生き生きと仕事を全うすることができるのだと感じた。何にも恐れず、今はやりたいことをとことん追求し、新しい自分を発見できたら、と思う。インタビュー中、吉田さんの仕事への熱意を常に身に染みて感じた。そんな熱い社会人になりたい。
取材日:平成27年8月26日
取材者:山路彩月 松田晴英 溝口未桜
(協力者:川崎市立商業高校定時制 教諭 生徒)