代表 | 関 和子さん |
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発足 | 2008年 |
メンバー数 | 30人 |
活動実績 |
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どのような活動を行っていますか?
すくらむ21で行っているのは、「0歳児の親子のための こころとこころをつなぐ ちいさなおはなし会」です。絵本や昔話、手遊びなどを紹介すると、「昔読んでもらった!やったことがある!」と親が自分の記憶を呼び起こす場面に出会います。そして、今度は自分の番だと親は一生懸命子どもに伝えています。子どもは小さいときに何を与えられたかを必ず覚えています。子育ては回っていく――素敵なサイクルだなと思います。
ちょうど私たちの年齢も、参加者に安心感を与えているかもしれません。「実家に帰ったようだった」と言ってくれたお母さんがいました。遠い実家に帰るより近くのひろば。アットホームな雰囲気になるよう、心がけています。季節の草花や人形を飾り、リラックスできる環境を整えてお迎えします。子どもや親の様子を見ながら、進行は臨機応変に。保育士経験のある私たちにしかできないものだと思っています。
今年度の協働事業の実施内容と特色について教えてください。
すくらむ21とのおつきあいは、平成24年度からです。平成27年度までは、「子育てほっとサロン」として、絵本の読み聞かせを中心とした内容を実施していました。
すくらむ21の協働事業としては、平成28年度が初めてで、今年度は3年目になります。平成28年度は定員を12組にして1日2回(午前・午後)全6回開催しました。大変好評だったので、翌29年度は定員を24組にして8日16回、19組にして1日2回の全9回実施しました。29年度の総参加者は183名、そのうち、20名は男性でした。子育ては、お母さんだけのものではありません。お父さんも参加してもらえるよう、開催日を土曜にする回を設け、積極的に呼びかけをしたことで、お父さんたちが出席してくれたのだと思います。
過去2年度の経験を踏まえ、今年度は定員15組、6月から2月まで月に1回のペースで計9回の計画を立てて実施しています。大事にしたいことは、絵本とのよい出会い、子育て中の両親を応援すること、わらべうた・ふれあいあそびに触れること、季節の移り変わりに目を向けること、日本古来の行事やあそびを伝えること、歌や子守り歌を一緒に歌うことです。各回には季節を感じることができるように、気を配っています。
設立のきっかけは何ですか?
現在、核家族化の中で子育てについての相談をする相手がなく孤立していたり、時間の余裕のない生活をしていたりする環境の中、親がじっくりと子どもにかかわることが少なくなっています。また、子どもの生活も親に合わせざるを得ず、落ち着いて遊ぶ機会も減っています。
平成20年に定年退職した公立保育園園長のOG3名で設立しました。「子どもを大事に」とあちこちで言われているのに、子どもがないがしろにされているように感じていました。そして、私たち自身、まだまだ若くできることがあるようにも思いました。そこで、NPOを設立し、子育て支援事業と研修事業の二本立てで活動を開始しました。親子向け農業体験、障がい児の余暇活動支援、保育士向け研修などを実施してきました。
私たちは、絵本をとおして得られる子どもの成長と親子の絆が深まることを目的としています。
団体名の由来は何ですか?
団体名のグローイン・グランマとは、訳すと「成長するおばあさん」という意味です。子どもと一緒に学び、自分たちも育っていきたいと命名しました。子育て支援は、親子関係が見える場。親が親になる瞬間を目の当たりにしてきました。「今の親は…」と苦言を言う人もいますが、お母さん、お父さんたちは精一杯がんばっています。定年後、保育園からより広い社会に出て、改めて気付くことができました。現役のときは園長と保護者という関係。知らず知らずのうちに、教えよう、諭そうとしていたかもしれません。子育てはかくあるべきという思いもありました。ですが、一生懸命なお母さん、お父さんの姿に、子育てはそれぞれの形でよいのだと、ずいぶん見方が変わりました。これからも、「成長するおばあさん」であり続けたいと思っています。
寄稿日:2018年9月28日