どのような事業を行っていますか？

主な事業は「キャリアにブランクがある女性」や「再び社会で働きたいと思っている女性」を対象にした、パソコンやスマートフォンに関するセミナーの開催です。一般のパソコン講座では提供されていない最新のITツールやSNSを利用し、参加者が楽しみながら学べるセミナーを提供しています。また、ツールの使い方だけでなく、ITセキュリティの脅威や安全な利用方法についても情報提供しています。
30代から50代の女性を中心にご参加いただいています。参加者のバックグラウンドは様々。パソコン初心者の方もいれば、ある程度操作できる方もいらっしゃいます。7、8人の女性スタッフが働いており、セミナーでは2人の講師が丁寧に指導します。これまでのセミナーの参加者累計は2300名を超えました。

今年度の協働事業の実施内容と特色について教えてください。

　積極的にトレンドを取り入れ、オリジナルで講座のテーマを決めている点が大きな特色です。例えば、今年度はInstagramの使い方、メルカリを使った在宅でできるフリーマーケット、LINEスタンプの作り方などを取り上げます。ITツールやSNSを手軽に使いこなせるようになれば、女性が自立して生計を立てられる力をつけることができます。
セミナー時には保育サービスを用意しています。保育サービスをつけることで、子どもを持つ女性を応援しています。さらに講義のような堅い雰囲気ではなく、参加者の方が気軽に質問できる、アットホームな雰囲気になるよう工夫しています。

起業のきっかけは何ですか？

　はじめから起業願望があるわけではありませんでした。IT系の外資系企業で15年間勤務していましたが、東日本大震災を機に仕事を辞めました。「横浜市社会起業スクール」に参加した時、「働きたいけれど、ITやマーケティング・営業の経験がない」という女性たちの声を多く聞きました。そこで外資系企業で培った自身の経験を活かし女性たちを応援したいと思い、2012年に横浜市で起業しました。起業に対するためらいはありませんでした。「世の中のニーズを聞いていたら、今のようになった」というのが正しいかもしれません。はじめは夫に反対されていましたが、事業が拡大するにつれて、夫も何も言えなくなっていった感じです（笑）。

女性がICTを使って起業するメリットは何ですか？

　まず、自分で稼ぐことができることですね。そして、パソコンやスマートフォンがあればどこでも働けること。場所を選ばないので、通勤する必要がありません。私の場合は、気分転換に事務所ではなく、鎌倉のオシャレなカフェで仕事をする時もあります。
　私が起業した時、息子は小学1年生でしたが、息子に自分が仕事をしている姿を見せることができるのが嬉しかったです。私の姿を見ているおかげで息子が10歳くらいの時にはタッチタイピングができるようになり、HPも自分で作れるようになっていました。
　通勤もなく、場所も選ばず、空いている時間に仕事ができるので、ICTを使って起業するメリットはたくさんありますよ！

今後の展望を教えてください

　関東のみならず全国に事業を展開していきたいです。地方展開することで、東京に出てこなくても仕事ができるようになります。そのために、経済産業省の「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」に取り組みたいと思っています。転勤の多い家庭の妻や副業を始めたい女性も家事をしながら「サクッと」パソコン1台で仕事ができるように、さらにこの活動を広めていきたいです。