インタビュー協力 | 藤井光子さん、杉目待子さん、小林英子さん |
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発足 | 1985年 |
メンバー数 | 個人会員約40名、団体会員8団体 |
URL | http://web-k2.jp/ssk1985/ |
事業実績 |
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どのような活動を行っていますか?
私たちは、社会的・文化的に作られた性別による差別をなくし、男女共同参画社会を実現するために、学習や活動を行っています。すくらむ21が開館して以降は、パートナーシップ事業や協働事業に参画し、格差、貧困、ハラスメントなどの課題に対して、男女平等の視点から講演会やワークショップなどを開催してきました。男女共同参画やジェンダー問題解決のために市民とともに考える場を作っています。
川崎の女性のあゆみをたどる活動にも力をいれてきました。その成果は2冊の冊子にまとめています。〈女性運動・国連女性の10年〉、〈社会教育〉、〈子ども・教育〉、〈働く女性・労働問題〉、〈市民運動〉の多岐にわたるテーマを取り上げ、男女平等を目指し、川崎の女性たちはどのように声を上げ、連帯してきたのかを多くの方に原稿を書いていただき、まとめました。たんに過去の出来事として取り上げるのではなく、未来へとつながるメッセージにしたいという思いで作成しました。
今年度の協働事業の実施内容と特色について教えてください。
活動内容は毎年変化しますが、近年は「ひとりひとりの人権を守る働き方」が大きなテーマとなっています。今年度は保育問題にフォーカスします。そのきっかけは、2016年に認可保育所に落選した母親が「保育園落ちた。日本死ね!」とブログに投稿し社会問題となったことにあります。母親は働こうとしているのに、働けない。女性活躍を謳いながら、女性が活躍できない。そんな日本社会に対する不満から書き込まれたものでした。
それを受け、今回は9月22日に『学生が市民と共に調べた川崎の保育状況』と題して、専修大学の学生さんと市民が共同して実施した調査の結果を発表していただき、意見交換をすることにしました。この調査の特色は、市民と学生が一緒にテーマを決めて共同したことです。保育問題交流会と専修大学経済学部教授の兵頭淳史さんの社会政策ゼミが共同し、川崎市内全認可保育所361園、3,610人の職員の方々に保育問題アンケートを配布し、772人もの回答を得ました。保育所問題は将来につながる問題です。学生にとって今の時点では関係ない問題ですが、今後結婚し子どもができた時に必ず直面する問題です。「私には関係ない」と思うのではなく、学生も現時点から考えておく必要があると思います。若い学生と市民の意見を交えることで、問題を深く掘り下げることができ、お互いにwin-winの、今後に繋がる関係を築くことができました。9月22日には、保育所問題の解決策について多くの参加者と考えていきたいと思います。
川崎市の男女共同参画社会実現に向けて今後の方向性は?
保育以外にも多くの課題を抱えています。この1年だけでも、例えばLGBTの方たちへの差別発言、セクハラ、パワハラ、医大入試の女性差別問題などが浮き彫りになりました。それらの課題に対して、男女共同参画の視点で解決していかなければなりません。近年では時代が変化し、以前であれば現場で黙認されていたような問題が表面化してきており、社会全体の問題として議論されるようになりました。おかしいと思ったことに対しておかしいと言える時代になりつつあり、節目をむかえていると感じます。とはいえ、まだまだ多くの課題があります。一人ひとりが声を発することが重要です。また、そういった声に見て見ぬふりをするのではなく周りが賛同することも大切です。私たちは、そういった若者を応援していきたいと思っています。
インタビュー実施日 | 2018年9月8日 |
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インタビュー、記事作成 | 川俣、川村、平井(平成30年度インターンシップ生) |