インタビュー実施日 | 2019年9月3日 |
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インタビュー | 令和元年度インターンシップ生 |
事業内容
デザインで地域の課題を解決していくことをコンセプトにしています。例えば、南北に長い川崎の各地域の特色を色で表現した「かわさき折り紙」。柿が特色の地域であれば柿色を用い、同封の折り方説明書には柿の折り方も案内しています。それを発展させた「かわさき色輪っかつなぎ」を継続して取り組んでいます。この他に、「かわさき市民しきん」を運営。川崎の魅力を都心部の大企業でなく、他ならぬ川崎から発信したいという想いから「ノクチ基地」に溝の口につくり、現在は地域ブランディングの仕事を主に受託しています。
キャリアの変遷
コミュニケーションをとるためのデザインを通して社会になにかメッセージを発信できないかということに興味がありました。武蔵野美術大学を卒業後、数度目の転職で、広報会社で通販会社の広報誌を担当することになりましたが、やがて「売らんかな」という仕事の内容に疑問を感じ、独立。
自宅の一部を事務所にしたところ、それまで家と仕事場の往復で見えなかった「地域」が見えてきて、なんだか元気がないように見えました。2011年には東日本大震災があり、自分も地域になにか自分のスキルを活かせないかと考え、最初は地域のまちづくり協議会に参加。ロゴ作成やHPリニューアルを中心に携わりました。ところが、行政主導だとやることが毎年同じでマンネリ化しやすいこと、重役を経験した元気なシニアが多く合意形成がむずかしいこと、経済的見返りがないためボランティアでできる限界があることなど課題が見えました。
協議会のコンサルに来ていた方から紹介を受ける形でKSソーシャル・ビジネス・ビジネスアカデミーを受講。そこで出会った仲間と「からふる!」というグループを結成したのが、今の仕事のはじまりです。
仕事の面白さ
クラウドファンディングをきっかけに始めた「かわさき色輪っかつなぎ」。もともと「かわさき折り紙」を広めるために始めた事業ですが、当時135団体の参加だったのが、2017年には440団体まで増加。輪っかをすべてつなげると6571mにまで及ぶようになりました。この事業がきっかけとなり、地域ブランディングの仕事の声がかかるようになりました。
今の仕事をしている中で平日と土日の差はありません。今度行う「kawasaki 教室シェアリング」もそうですが、みんなで集まって企んでいるときが一番面白いんです。ああでもないこうでもない、こんなこともできるよねとやっていく。その中で友人が増えたのが一番の収穫です。会社で仕事をしていた時は本当に人間関係の広がりが無かったので、そこが一番変わりましたね。
メッセージ
建築家近澤可也の「面白いもの・初めてのもの・意味のあるもの・驚きを与えるものを創りたい」を座右の銘にしています。ずっとこの仕事をしているのでデザインについては引出しがあります。自分で勉強してきたことを活かせられものを見つけられるかが大事。仕事を楽しむには興味のアンテナを絶えず張っていること。あとは無理をしてまで続けないこと。現在は「誰でも参加できる」をキーワードに参加型アートの新しい形をなにかできないか考えています。