鈴木宣子さん(川崎市役所健康福祉局)
1966生まれ。保健師として様々な保健所で勤めた経験を活かして現在は川崎市役所健康福祉局健康安全室エイズ・結核担当の係長として働いている。同じく川崎市役所に勤める夫、大学1年生の息子と中学3年生の娘とともに暮らしている。実家は「スープが冷めない」程度の距離にある。趣味はサッカー観戦からトレッキング(山歩き)、ドールハウス作りなど多岐にわたる。
これまでに様々な部署を異動し、制度改正や計画策定、人材育成など様々なプロジェクトに携わってきた鈴木宣子さん。たくさんの部署にいたからこそ色々な経験をしてこられました。また、仕事がとても忙しい中、結婚・出産を経て子育ての経験をしてきた鈴木さんにお話をしていただきました。
I.コミュニケーションを大切に
現在なさっているお仕事の特徴を教えてください。
現在は健康安全室でエイズ・結核担当をしています。人にうつす危険のある感染症に対して、市民へ普及啓発したり、予防への取り組みをお伝えしたりしています。
感染症に関して今どこで何がどのように起こっているか等の情報収集も行い、集団発生へと広がらないように対策をとっています。エイズについては、日曜日の検査を運営していて、ボランティアさん(写真)とも協力して相談対応しています。
仕事のやりがいは達成感があることですね。市役所では大体3年で異動するので3年という短い期間で仕事をこなさなければならないというプレッシャーはありますが、逆に3年で仕事をしっかりこなせたときはとても達成感があります。
女性が働き続ける上で大切なことはなんでしょうか?
私は女性だから、男性だから、と意識して仕事をしていたことはありません。まず女性男性に関係なく当たり前のことですが、約束を守る、期日に間に合わせることが大事だと思います。もし期日までに間に合わせられなくても誠意を見せることで信頼関係が築けます。こういった人間関係の構築が仕事上、大切になると思います。
また女性は子育てが一段落したら飲みニケーション(飲み会でのコミュニケーション)を大事にすることも、時には必要だと思います。職場で見る普段の上司とは異なる一面を見られたり、本音を聞けたりするので、たまには飲みニケーションから情報収集をするのも良いのではないでしょうか?
それと、若手で独身の女性は割と完璧を求めて、根を詰めてしまう傾向があるので、結婚など将来的な生活リズムのことも考えて今のうちから無理のない仕事のペースを作るように、自分の後を引き継ぐ人にも、スムーズにバトンタッチ出来る様な仕事のやり方をして欲しいと思います。
II.仕事とお母さんを分ける
結婚・出産時は就労継続に対してどのようにお考えでしたか?
結婚や出産を機に仕事を辞めようと思ったことはありません。結婚・出産を経ても就労を継続しようと考えていました。まず1つ目の理由は、周りの先輩方も結婚・出産を経ても仕事を続けていた人が多かったので、特別な事情がなければ仕事を続けようと思っていたからです。2つ目としては、経済的に二人とも働かなければいけないという状況だったからです。そして3つ目は、はじめから資格を持って働き続けようという意志を持って仕事を選んで働いていたからです。
ワークライフバランス(仕事と家庭生活などのバランス)のとり方を教えてください。
仕事が忙しい時、平日は終電まで仕事をこなしたとしても、週末は母親として家や生活を大事にしていましたね。子ども達は、週1~2回は近くにある実家でおじいちゃんやおばあちゃんが作ってくれたご飯を食べ、週1~2回は父親が作った夕食を食べていました。
私が出来ない時は分担して家事をしていました。
円満に家庭生活を送るために何か気を付けていることなどありますか?
常に家族に対して労いの言葉や感謝の言葉をかけるように心がけています。特別に何かをしてくれた時だけではなく、ちょっとしたことでも言葉に出して感謝を表すことは大事なことだと思います。また、何でも一人で抱え込もうとせず、私一人では家事をこなしきれないときは、朝のうちから家族と予定を共有して私のできないことは家族にお願いして任せています。
III.若者へのメッセージ
これから社会に出る若者に対してメッセージをお願いします。
最近見ていると優秀な人がたくさんいますが、その中には人に失敗を見られたくない人や仕事に対する努力の過程や苦悩をオープンにしない人も多くいます。しかし、努力の過程や仕事の進捗を上司や周りに相談した方がアドバイスをもらえて自分自身の成長につながると思うので、一人で抱え込まずに相談してほしいと思います。また、もし2回や3回くらい失敗したとしても、すぐにくじけないで目標に向かって頑張ってください。
Ⅳ.取材を終えて
鈴木さんのお話を聞いて、女性が働き続けるためには家族や周りの人たちと協力して生活を送ることが大切なだと気付くことができました。そのためには、家族や周りの人たちとの良い関係を保てるように、普段から感謝を言葉で表すことやお互いの予定を共有して助け合うことが欠かせないと思いました。また、結婚や出産を経験していない独身の女性でも将来的な生活も考えて無理のない生活を送ることも大事だと感じました。
コラム
Q.鈴木さんの一押しアイテムは?
A.私の一押しアイテムはスマートフォンやコクヨのキャンパスノートのスケジュール帳です。スマートフォンは会議などでわからないことをすぐに調べられるので便利ですよ。また、キャンパスノートのスケジュール帳は手帳より大きく、自分だけでなく部下の予定も書きこめて便利です。また、いろいろな用途に合わせた付箋もおススメですね。