このページでは、親子で一緒にたのしめる絵本を紹介しています。
青と黄色の絵の具を混ぜると緑になります。でも、このお話は絵の具の話ではありません。自分の好きな色は何だろうと考えながらページをめくってください。
あおくんはきいろちゃんと出会って大好きになってしまいます。きいろちゃんもあおくんのことが大好きになり、二人は意気投合、心が通じ合って「みどり」になってしまいます。 二人の両親は、両方とも「あおくんじゃない」「きいろちゃんじゃない」といいます。仲良くなった喜びから一転、二人は失意のどん底におちて、ないて、ないて、涙になってしまって、また二人は元の「あおくん」と「きいろちゃん」になりました。元のあおくん、きいろちゃんになぜだかほっとします。その後、パパやママも、なぜかみどりになりました。「みどり」になるということは何を意味するのでしょうか。
作者は子どもたちと一緒に語らいながらこのお話を作ったそうです。赤やオレンジ、茶色などいろいろな色で子どもたちの個性を表しています。
「私たちはそれぞれの色を持っている。だけど違う色の友達と心がつながれば新しい色が生まれてもっともっと楽しくなるよ。」といいながら、色を塗ったのかもしれないですね。でも「どんなに仲良しでもあおくんはあおくん、きいろちゃんはきいろちゃんなんだよ。一人ひとりの心を大切にしようね。それぞれ個性を大切にしようね。」と言っているような気がします。 「みんなはね一人ひとり違うんだよ。でも誰かと心を通わせると今までと違う何かが生まれるんだよ。あおくんときいろちゃんみたいにね。」
レオ・レオーニはあの有名な「スイミー」というお話の作者でもあります。
※紹介文は、ブックインフォメーション2016年3月号より抜粋しています。