『みんなみんなすてきなからだ』
発行:2021年12月
著/文:タイラー・フェーダー / 翻訳:すぎもとえみ
出版社:汐文社
発行:2021年12月
著/文:タイラー・フェーダー / 翻訳:すぎもとえみ
出版社:汐文社
わたしのからだ、あなたのからだ、それぞれ ちがう みんなのからだ! 体型、肌の色、髪質、目や鼻の形、体の毛の生えかた、みんな人それぞれ。ページをめくるたびに飛びこんでくるのは色鮮やかなイラストたち。パーティをしたり、アートを楽しんだり、海水浴にでかけたり、思い思いに過ごすその姿がどのページでも生き生きと描かれていて、なにより楽しそう。
この絵本を読んだとき、ありのままの姿を思いっきり描いていて素敵と思った。ところが、小学生の子どもは「この中に出てきたイラストは、いつも見てるテレビの漫画とか絵本に出てくるのとぜーんぜんちがう」と言って不思議そうにしている。「理想のからだ」として描き出される人物は手足がしゅっと長くてやたらとくびれている?!。その比較で語られる「じぶんのからだ」。肌の露出が増えてくる季節やイベントシーズンに合わせて増えてくるメディアによる「美」への過剰広告。そういうものを日々目にしているからか、描かれないものが存在することに気づかず、刷り込まれているのか。繰り返しでてくる「どれもみんなすてきなからだ」という力強いメッセージは、描かれている人々の絵とマッチしていてとても味がある。自分のからだに自信を持ち、楽しく生きるためのメッセージ。じぶんがどんなからだかはじぶんのことばでいえばいい。それを難しくしている社会に対して問いかけている絵本でもある。だからこそ、いろんな世代の人に手にとってほしい一冊。