思春期を迎える子どもへの「性教育」という言葉を耳にした時、子どもから性に関連する質問を受けた時、あなたはどのような心境になりますか？身構えたり、ごまかしそうになったり、タイミングについて悩むかもしれない。

　本書は、そうした思春期の子供をもつ親に、日常に起こりそうな事例を、親しみやすい漫画を通して、子どもとの具体的な接し方や、「思春期の性教育を成功させるポイント」を伝える。一方で、親世代の考える「ふつう」という言葉の圧力や、性についての刷り込まれてきたバイアスに警鐘を鳴らし、子どもと共に学んでいく親の姿勢が大事だと問う。

　「性」は「心が生きる」と書くように「性教育とは、心が生きる教育」。本書は知識の伝達としての「性教育」だけでなく、家族だからこそ伝えられる言葉を通じて、子どもが自信をもって生きられるように、その延長線上に性教育の目指すゴールがあると導く。ジェンダー、LGBT、生理の貧困、性的同意など、性の幅広い内容をまんがでやさしく学べる。読み終えるころには「性」をポジティブに捉えられる、お勧めの一冊。