『もうがんばれない日のための 限界ごはん』
発行日:2021年3月
著者:杏耶
出版社:㈱KADOKAWA
発行日:2021年3月
著者:杏耶
出版社:㈱KADOKAWA
長引くコロナ禍。だれもが外出の自粛やテレワークなど家で過ごす時間が増え、家事時間が増加したことによる疲れが少なからず蓄積されている。ある日、小学生の子どもが、この本のマグカップ蒸しパンを電子レンジで作っていた。漫画を読んでいるんじゃなかったのか。「これほんと、おいしい」。満足そうに一人で食べている。読んでいるとおいしそうで作ってみたくなったという。
家にあるシンプルな材料を混ぜてチンするだけでできた。自分で作って食べることで「自分でできた!」という自信にもなっているようだ。「これ作って」と言われるんじゃなくて自分で勝手に作って食べられるシンプルさがいい。
ひとり暮らしでも、日々の食事作りがしんどい、風邪気味、身体が重くて、もうがんばれない、そういう時この本はとても参考になる。「限界度MAX」の時の限界溶き卵スープ。数分で出来たてのごはんを食べると、ほっとして救われる。栄養士の解説付きだからか妙に説得力がある。「限界ごはん」とタイトルになっているだけに、限界レベル別に書いてあるのもおもしろい。
とにかく一種類だけ作ればいい。ちゃんとしたものを作ろうとするから辛いのだ。災害時のサバイバルメニューじゃないけれど、数分で手軽にでき、必要な栄養も取れるメニューを1つでも2つでも覚えておけば、食事作りへの小さな抵抗も軽減できて、何より疲れた自分にとって最良の処方箋になる。