『シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと』
発行日:2020年3月
著者:花田菜々子
出版社:河出書房新社
発行日:2020年3月
著者:花田菜々子
出版社:河出書房新社
シングルマザー、シングルファーザーは世間にたくさんいて、子連れ再婚も増えている。多くのひとり親、その子ども、その人と交際しようとする人にとって、新しい関係づくりは決して些細な問題ではないはずだ。
二人の子どもを持つシングルファーザーとつきあいはじめた著者は、子どもと関係を深めるなかで出てくる問題、たとえば「教育」なのか「押しつけ」なのか、母親ではない自分がどこまで口を出していいのか、それは彼らの思いに反していないか、ひとつひとつ真剣に悩み、向き合う。「関係性は無理やりこじ開けることではなく、日々のやりとりの中で薄い紙を一枚ずつ積み重ねるようにして、オリジナルの形をつくっていくもの。」という言葉は、人との関係性すべてに通じることだと気づかされる。
同時進行で、著者が本屋の店長として店づくりに奮闘する姿も描かれる。こちらは、働く身にとって勇気づけられるもので、経験を積み重ねた人でも新しい仕事に取り組むときは孤独を感じ不安になることや、「できない自分」を受け入れることなど、共感できる点が満載だ。
本書の最後には「子どもとの関係性や親子問題について考えるための13冊」についての案内があり、こちらもおすすめ。